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7 再びの断罪劇
「リーシャ・バートン! 本日をもって貴様との婚約を破棄させてもらう!」
――そして。
断罪の舞台は、再び現実のものとなった。
ハロルド王子の宮で開かれた小規模のパーティ。
その会場全体に響くような声で、ハロルドは唐突にリーシャに向かって宣言をする。例によって例のごとく、右腕には可愛らしいティアラを侍らせて。
参加者たちの視線がたちまちのうちに彼らに集まり、会場のざわめきは少しずつ小さくなっていった。
「公務に疲れたハロルド王子をいたわるため」という失笑したくなるような名目で開かれた今日のパーティは、前の人生で開かれたものとまったく同じ場となっていた。
己の賛同者ばかりで周りを固めた今日の彼を諌める者は、この場に誰も居ない。
バートン家の財産を使って開催したパーティにもかかわらず今日もリーシャを見下した彼の行動は、いっそ清々しい程に傍若無人だ。
「婚約破棄、ですか……理由を、お聞かせ願えますでしょうか」
とうとう始まった――込み上げる緊張と興奮を表に出さないように気をつけつつ、リーシャは深く腰を折って目を伏せる。
「ここに来てもまだシラを切るか!」
大袈裟な仕草でリーシャへと指を突きつけると、ハロルドはかつてと同じ罪状を大きな声で宣言する。
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