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「対価って……! まさか、お嬢様は……!」
「はいはい、大袈裟に騒がないの。アナタ、本当はもう、どういう状況かわかっちゃっているんでショ? アナタの大切なオジョーサマは、もう居ない。贄として捧げられて……召喚の儀は、完成した。だから、ワタシがここに居るってワケ。……あの王子、ナヨナヨしたお坊ちゃんかと思ってたら、自分で最後の手を下すなんてやるじゃない。チョット見直しちゃった」
「……っ!」
その言葉で、ツルギは自分が間に合わなかったことを察する。
裁判まではまだ時間があると思っていたのに、あの男はどこまでも姑息で無法であった――リーシャは最後のトリガーである贄として利用され、裁きを受けることも許されなかったのだ。
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