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「ふーん。結局オジョーサマが新しい恋に走ることも、あのコの執着が暴走することもなくハッピーエンドになったのねー」
二人の姿を眺める、第三の声。
中空に浮かぶ鏡を通して彼らの動向を見物していたグィニードは、彼らの出した最終的な結論に無責任な感想を洩らしていた。
彼らの動向を逐一監視しては、楽しんでいたグィニード。
それがひとまず落ち着いてしまったことに、少しばかり肩透かしを覚えてしまう。
ハッピーエンドが好きな彼ではあるが、結局のところ悪魔である彼はそこに至るまでの苦悩が大好物なのだ。
その結果痴情のもつれによる事件が起きても、もしくは本当の気持ちを押し殺した歪な終着を迎えても、それはそれで楽しめると思ったのだが……意外にも彼らは迷いなく一番良い選択肢を掴み取っていった。
それは些か、人間の苦悩を娯楽としている悪魔にとっては物足りないくらいで。
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