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「俺、実はさなのことが好きなんだけどさーーー」
私は彼からのこの言葉で頭が真っ白になった。
「でさ、クラス離れちゃってーー」
彼からの恋愛相談が頭に入らない。
でも、私は嘘をついた。
国語は苦手だけれど、しっかり話を理解した。
「あー、そっか、応援してるよ」
私はこんなこと一ミリも思っていなかった。
なんならはやく冷めてこっちにこないかという気持ちすらあった。
けれど、私にそんなことはできなかったし、言えなかった。
その日、彼への想いを殺して学校を過ごした。
泣きそうだったけどこらえた。
帰りたかった。
私、分かりやすかったよね?
少しは気づいてくれてもよかったよね?
あなたに会うために学校へ通っていたのに。
大好きだったのに、、
私の一方的な理不尽な考えが頭をよぎっては消えていた。
こんなことを考えていたら、時間を長すぎると感じた。
はやくこの時間よ、進んでくれ。
今にも泣きたかった。
これだけは伝えたかった
「大好き」
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