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 彰浩は光屋の手を離し、今度は下半身へと手を伸ばした。股間に触れると、既に少し大きくなっている中心が感じられる。自分とのキスでこうなったと思うとやっぱり嬉しい。 「き、北さん、そこ……」 「『北さん』じゃなくて、好みの女想像してな」  彰浩が言いながら光屋のパンツを寛げ、下着の中に手を入れる。直接中心を手で扱くと、光屋の体がびくりと震えた。乾いていた中心が次第に濡れ、水音を立てる。その頃には最初よりも光屋の中心は硬く育ち、それを見ているだけで彰浩もドキドキとしてしまう。当然、体だって昂っている。  彰浩は光屋の上から降りて、自身のパンツを寛げた。下着の中に手を入れ、後孔に指を当てる。自分で後ろを解しながら、彰浩は再び光屋の中心に触れた。 「んっ……も、やめ……」  硬くなった中心が少し震えている。そろそろ絶頂が近いのだろう。だったら止めるつもりなど彰浩にはない。彰浩は光屋の足元に座り込み、その中心を口の中へと迎え入れた。 「あ、だめ、北さん、口、離してくださっ……んっ!」  両手で彰浩の頭を押して離そうとしていた光屋だったが、その前に彰浩の口の中に白を吐き出した。彰浩が中心から口を離すと、光屋はネクタイを放り投げ、体を起こしてこちらを眇めた目で見つめていた。 「何? 気持ちよくなかった?」  男の口じゃダメだった? と彰浩が微笑む。本当はこれで最後だし、このまま食ってしまおうと後ろの準備もしていたが、これは無理そうだ。彰浩は諦めて自身の尻から指を抜く。 「お礼にはならなかったみたいだから、帰ろうか」  彰浩が笑いながら光屋の傍を離れる。けれど、すぐに腕を引かれ、ベッドを降りることは叶わず、今度は仰向けに転がされた。さっきとは逆に光屋に押し倒される形になり、彰浩が驚いて光屋を見上げる。 「光屋くん……?」 「煽ったのは北さんです。全部、北さんのせいです」  光屋がこちらをまっすぐに見つめる。その双眸は獣のオスを想像させるほど、ぎらついていて、彰浩の背中がぞくぞくとわなないた。  さっきまでとは違う、男の顔をした光屋が少し強引に彰浩のパンツを下着ごと下ろす。完全に脚から抜けきっていないまま、両の腿を抱え上げられ、彰浩は光屋に意図せず秘所を晒した。 「……濡れてる……どうしてこんなふうに誘うんですか」  光屋はそう言い終わるか否かの内に、自身の中心を彰浩の中へと押し込んだ。その衝撃が強くて、彰浩は呼吸を止め、ぎゅっと目を閉じた。  成り行きでも事故でも、光屋が自分に対して興奮してくれたことが嬉しいと思い、彰浩が目を開くと、その頬にぽたり、と雫が落ちた。光屋の瞳から零れているのを見て、彰浩は眉を下げた。 「ごめんな……全部俺のせいでいいから、そんな顔しないで、最後まで俺を抱いてよ」  誰の代わりでも練習台でもいいから、と光屋の頭を抱き寄せる。 「北さん……おれ……」 「まだ萎えてないだろ? 頼むから、今は止めないでくれ」  ただ最後まで抱いてほしい。  その気持ちが伝わったのか、光屋はやがてゆるゆると腰を動かし始めた。  けれど結局その後はひとつも会話をしないまま、果てたと同時にベッドを降りた光屋は、彰浩を見ることもなく部屋を後にした。
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