さいたま新都心

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私という悪厄霊嬢は悪い女で、相手の欠点を指摘しながら優越感に浸る癖を持っている。 それを口にすることは滅多にないが、これらの仕様は、この世界で学んだ術だ。 昨今、こういう行為はマウントと呼ばれるが、桂木には通用しないだろうし、それより、再び心を読まれるのはたまったもんじゃない。 私は笑顔で、 「他のメンバーはどちらに?」 と、しとやかに訊ねると、 「あ、そうでしたね、みんな裏庭に居ますよ。お嬢さんのウェルカムパーティー!バーベキューですが、今日は仕事は忘れて、存分に楽しみましょう」 「桂木さん」 「はい?」 「お嬢さんって呼び方は、そろそろやめてくださらない?」 「お気に召しませんか?」 「もちろん」 「それでしたら、なんと呼んだら良いものか…」 「京都で構いませんわ」 「京都…わかりました!お嬢さん!」 煮ても焼いても食えない輩というのは、こういう男を云うのだろう。 私は、深々と頭を下げる桂木を眺めながら、頭頂部にうっすらと生えている白髪を、一本残らず引き抜いてしまいたい衝動に駆られた。
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