エピソード4:少年の青い鳥

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「誰?」 「あ、ええと、……魔術師殿の友達でね。今日は、きみを紹介してもらいに来たんだ。アルドリックと言います。一緒にお話をさせてもらってもよかったかな」 「もちろん。僕はルカ。ルカ・ベック。八才だよ。――あ、僕のこと、坊ちゃまって呼ばないでね。友達なんだから、ルカって呼んで」 「うん、じゃあ、ルカくん。よろしくね」  腰をかがめて笑いかけると、少年――ルカが満足そうに頷く。無邪気な笑みだった。 「じゃあ、ありがとう、ハンナ。またあとでお菓子とお茶を持ってきてね」 「もちろんでございますとも」  少年が背中を預ける枕の位置を調整した彼女が、柔らかそうなブランケットを小さな肩にかける。 「あまり興奮されないようにだけ、気をつけてくださいね。坊ちゃまになにかあれば、ハンナも悲しゅうございます」 「わかってるよ」  困ったように眉を下げ、ルカはほほえんだ。  それでは、よろしくお願いいたします、と自分たちにも頭を下げ、彼女は部屋を後にした。閉まった扉を見つめていた少年がかたをすくめる。 「心配性なんだ」 「ルカくん」 「でも、気にしないで。僕の身体のことは僕が一番わかってるから。ねぇ、魔術師さま。このあいだの話の続き」  フレグラントルに行った話、というおねだりに、「え」とアルドリックは目を輝かせた。
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