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――はい、同郷なので。
向こうのほうがふたつ下だが、シュネベルクは山に囲まれた小さな村だ。実家が隣接していたこともあり、幼い時分はそれなりに親しく遊んだ覚えがある。
だが、それも十年以上前のこと。進学の事情で十五で村を離れて以降は、ほとんど交流のない間柄である。
橋渡しを期待をされても困るとアルドリックはやんわり言い足した。
――ですが、もう五年は顔を合わせておりませんし。向こうが覚えているかどうか。
そう。だから、真面目だけが取り柄の自分なんぞ、ひとつの役にも立たない、と。牽制をしたつもりだったのに。
至極ご機嫌と上司は笑ったのだった。
――本当に、いったいなにが「それはよかった」なんだが。
期待に添えないと控えめに繰り返してみたものの、あれよあれよと所属長に掛け合われ、とうとう魔術師殿のもとに赴く事態になってしまった。
預かった案件が急ぎである理由は承知したが、それはそれ。問答無用がすぎるとアルドリックは思っている。
もっとも、横暴であるとの不満を抱えたところで、自分に拒否権はないのだが。
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