彼女いない歴=年齢

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樹とカラオケに行った帰り、 カップルがキスしているシーンを目撃。 「樹、見ろよアレ」 「うわぁ、白昼堂々大胆だなぁ。 俺はそんな目立つようなとこでしたくないよ」 ん? いつもの樹ならリア充爆発しろとか 呪いの言葉を放つはずなのに、 今日はやけに穏やかだな。 「どうした、樹。いつもの呪詛は吐かないのか?」 冗談まじりに言うと樹はデレっとした顔になる。 気持ち悪い。 「いや、実はさ、できちゃったんだよね」 「できたってなんだよ。妊娠したの?」 「ちげーよ! 彼女ができたんだよ」 2度目の衝撃。 「うっそ、マジで?」 「へへへへっ、安西さんのこと 気になってたんだけど昨日告られちゃってさぁ」 マジか。 こんな樹にも彼女ができるとは。 僕は本格的に焦りと危機感を覚える。 くそ、このままじゃ彼女がいない可哀想なやつに なってしまう。 「おめでとう」 「おめでとうって顔か? まぁ、幸雨輝もそのうち彼女できるって。 あ、最近マッチングアプリで出会う人達もいるだろ。 幸雨輝もやってみれば?」 その言葉にハッとなる。 そうか、その手があったか。 マッチングアプリなら出会う人の数も多いし みんな恋をしたくてアプリを入れているんだから こんな俺にだって意識せざるを得ないだろうな。 もしダメでも次に行けばいい。 「ありがとう樹!僕、やってみるよ」 僕はこのあと、マッチングアプリを インストールすることを決意した。
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