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「ワンダフル!」
「フレンディ!」
「必殺!ダイヤモンド エボリューション!」
「来たぁ~!ダイヤモンド エボリューションまじキタコレ~!!」
そうテレビを観ながら雄叫びをあげたのは吉田 悟、35歳独身。都内でサラリーマンをしているごく平凡な男だ。この男には毎週ひそかな楽しみがあった。それは日曜日の午前中にやっている女児向けアニメ「ふたりはアモーレ」を観ることだ。
「フレンディのピンチを救うワンダフル、ワンダフルのサポートをするフレンディ、いや~眼福ものですな!!」
悟はこの趣味を会社の誰にも言えずにいた。いくら多様性の時代とはいえ、いい歳したおじさんが女児向けアニメに熱中してることはあまり良く思われないからだ。しかし年に1度ある「ふたりはアモーレ」の映画とアモーレグッズが売っている「アモーレショップ」には勇気をだして1人で行っていた。さも娘がいる父親を装って。
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