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有無を言わさない言動にビクリとするものの、その言動とは裏腹に彼が僕を包む力は優しい。
時間がないというのは陽が落ちて僕が木に戻ってしまうから、だよね。本物の赤い実だっていっぱいなってるのにそっちじゃなくてヒトの姿の僕を、その、食べる……の?
もう一度彼の唇が僕の唇に重なって、舌を絡め取るように動きながら口腔内を刺激されると唾液があふれて口の端からこぼれそうになる。それをちゅっと吸い上げられた。
「甘い、な」
もう僕はくらくらして彼にされるがままだ。だって憧れの君に口づけされてるなんて……。こんなの夢じゃないかって思っちゃう。恥ずかしいし逃げたいけど、憧れの君に触れられるなんてもうないかもって思ったら身体が動かない……。
というか、その……。彼の冷たい手が僕の服を脱がせながら身体をまさぐっているのに僕ときたら触れられた場所が熱く感じてしょうがないんだ。
「こっちの赤い実も」
彼の指が僕の胸の小さな赤い部分を摘んだから、僕は身体を跳ねさせてしまった……。
「んっ……」
「お前、いい声で鳴くんだな」
僕の身体はどうしちゃったんだろう。腰からゾワゾワした感覚が上ってくるんだ。
膝の力も入らなくて地面に座り込んだ僕の……後ろの、ソコに、彼が指を入れてきて……。
「ふぅっん……だめ……」
「時間がないと言ってるだろ。その姿、ギリギリまで保ってろ」
そういえば、空は薄いオレンジ色から濃いオレンジ色に変わっていて、反対側は夜の深い色になっている。僕はいつもならこのくらいには木に戻ってのんびりしてるはず……と考えた瞬間、内側からビリビリと何かが走る。
「やっ……苦し……」
「これをしとかないともっと苦しいぞ」
「やだぁ……怖い。お腹、変……」
そんなところに指を入れられてぐりぐりといじられているのに腰が揺れちゃうのが恥ずかしい。それに四つん這いの格好も恥ずかしいし何されるのか見えなくて怖い。でもどんどんソコがジンジンして切なくなってくる。
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