4.あの日から私は

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 その日から彼がラヴェニーニ侯爵家へ来る日を心待ちにする日々が始まった。  最初こそ、助けなければよかったと言われることを恐れていたが、逆に私にトラウマが残っていないかを心配してくれるコルンの優しさにもっともっと好きになった。  いつしか彼が見習いを卒業し、正式に騎士団へと所属するようになってからは彼の後を追って騎士団演習場にまで通うようになった。  父にそれとなく――では、鈍感な父には伝わらなかったので、何度も直球で彼と婚約したい旨を頼み込んだ。  そうしてやっと彼の正式な婚約者になれたのに、私はもっと彼に構ってもらいたいという一心で取り返しのつかないことをしてしまったのだろう。 “だから” 「エリー、ここがわからないんだけど」 「あぁ、それはさっきやった薬剤学の応用でね……」 “貴方の自慢の婚約者になれるよういい女になってもう一度告白するわ”  私は気合を入れて、エリーの説明を必死にメモったのだった。  始めたのはそれだけではない。  貴族の娘として当然すべき社交。 「今まではあまり参加して来なかったけれど」
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