5.そんなパターン要りません

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 毎日毎日懲りずに送られてくる申込書に辟易とした私の避難先は当然友人の家である。 “なんだかんだで迎えてくれるし、やっぱりエリーって優しいわよね”  口は限りなく塩ではあるが。  こんなあり得ない噂という弊害が出るとは思わなかった私は、お行儀悪いとわかりつつテーブルに突っ伏した。 「ま、突然社交を始めたらねぇ」 「そうよね」  あんなに毎日コルンの元へと通っていた私が通うのをやめ、突然社交を始めたことで私たちの婚約が破談になったという噂が流れたのだ。 「しかもアンタ、男とばっかり踊るし」 「コルンの情報が欲しくて……」  完全に失敗した。  会えない代わりにどうしているのかを知りたすぎた私は、騎士団に兄弟のいる参加者を中心に声をかけて踊りまくったのだ。 「も、もちろん令嬢たちを優先してたわよ? 情報が一番大事だしね。それに私と踊った人たちからは申込書、一通も来てないわ」 「そりゃダンスが始まった途端『コルンは~』『コルンが~』『コルンに~』を連呼したからでしょ」 「なんでわかったの!?」 「何故わからないと思ったのよ」
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