6.ここで君にプロポーズを

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6.ここで君にプロポーズを

 狩猟大会の日はあっという間に来た。 「今日が決戦の日ね」 「そんなに気合を入れるなんて、最近のアリーチェは頑張っているんだなぁ」  あっはっはっと豪快に笑うのは父である。 “そりゃそうよ、告白という決戦の場なんだから”  おそらく父の思う決戦とは違う決戦だが、そんなことわざわざ説明する必要もないので省略した私は、自身の身を守るクロスボウの手入れを念入りに行いながら開始の合図をラヴェニーニ侯爵家のテントで待っていた。  狩る側ではなく貰う側で参加する令嬢たちは、今頃は大テントでドレスを着て絶賛ティータイムだろう。 「でも、どうして出場する側になってしまったの……。やっとアリーチェと刺繍出来てとても楽しかったのに」 「お母様ごめんなさい、今日は決戦の日なんです。それに女性でも参加している人は他にもいますよ」 「騎士の方ばかりじゃない!」 「あ、はは……」  確かに母の指摘通り、女性の身で参加している人のほとんどが騎士爵を持っている女騎士ばかりではあるのだが、少数ではあるが私以外にも狩る側で参加している令嬢だっている。
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