6.ここで君にプロポーズを

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“まぁ、貰う側になりたいからって狩る側に回る令嬢がほとんどいないのも確かなんだけどね”    去年の私ももちろんコルンから貰いたいとドレスを着てお茶会に参加していた。  それに毎年ねだっていたというのもあるが、なんだかんだで私に甘いコルンはあの事件のあった翌年から何かしらの獲物を、婚約もしていなかったのに私へと捧げてくれた。  だが、今年の私が貰うことはないだろう。 “まだ婚約していなかった頃、というのと婚約破棄後というのは意味合いが全然違うわ”   「これも私が招いた事態よ。いいの、今年は私がコルンにプレゼントするんだから」  ふうっと大きく息を吐き、気合いを入れた時にカンカンと鋭い鐘の音が響く。  それが狩猟大会の開始の合図だった。 “とは言っても、私は馬に乗れないのよね”  馬で奥まで行く先頭組には当然勝てないどころか一緒に出発すると逆に私が危ないので少し遅れて出発するつもりである。  ほとんどの人が馬に乗って行くので私はほぼ単独行動になる予定だ。   「流石に上級エリアは私じゃ手に負えないから、初級、いやせめて中級……!」
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