6.ここで君にプロポーズを

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“ネズミは逆に小さくて捕まえ辛いし、ウサギ……は何だかんだでコルンとの思い出の動物だし”  現実的に考えて私に捕まえられそうなのはキツネか、もしくはシカだろう。 「キツネって私より頭よさそうよね」  シカまでいくと初心者の私には少し大物すぎるが、私の武器はクロスボウだ。  遠距離攻撃が可能であり、かつ威力が私自身の腕力に左右されない。  「それにプロポーズするために今日は参加したのよ」  ならば多少厳しくとも狙っていかなければ。 “よし、今日の私の目標はシカ! シカを探すわ”  それにシカならば他の動物より足跡も残りやすく探しやすい。  ある意味私にピッタリの獲物とも言えた。 「そろそろ先頭組は遠くまで行ったわよね?」  そろそろ先頭組の馬から逃げた動物たちが自分たちのテリトリーに戻って来ているはず。  私は頃合いを見て、遅れてひとり狩猟エリアへと足を踏み入れたのだった。 「案外見つからないものね」  足跡くらいならすぐに見つかるだろうと思っていたのだが、そんな私の願い虚しく地面が先頭組の馬の蹄の跡で荒されていて正直よくわからない。
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