7.溢れる本音

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 そしてその花畑の中で私を庇うように下敷きになっているコルンだった。 「ご、ごめんなさ……っ」  一気に顔が熱くなった私が慌てて彼の上から降りようとするが、コルンの両腕がぎゅっと私を抱きしめた。  気付けば私は彼の上から降りるはずが、抱きしめられたまま彼の胸元に顔を埋めている。 “えっ、な、何が起こってるの!?”  状況が掴めず目を白黒とさせていると、ふぅ、とコルンが息をいた。  触れている彼の胸元を伝い、彼の鼓動が早鐘を打っていることに気付く。 「――本当に、無事でよかった」 「コ、ルン?」 「本当にアリーチェ様は昔から心配しかさせませんね」  ふっと小さく笑ったコルンが、ゆっくりと私を抱きしめていた腕を解いた。  上半身を起こし、花畑の中で向かい合って座ると、彼のエメラルドのような瞳がじっと私を射貫いている。 “コルンだわ、本物のコルン”    婚約破棄合意書を渡されたあの日から、直接彼に会うのは初めてだった。    彼に釣り合うようないい女になれたら。  彼から選んで貰えるような、手放されない婚約者になれたら。
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