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「アリーチェ様?」
「私を助けてくれた貴方はとても格好良かったわ。私だけのヒーローが現れたのかと思って胸がとってもドキドキしたの」
重ねてくれた手を握るように動かし、指と指を絡める。
一瞬ビクッとコルンの手が反応したが、振りほどかれないことが嬉しかった。
「あの時だけじゃない。見習い騎士の時から誰よりも熱心に訓練に来ていたこと、新人ながらに第四騎士団に配属されたことだってコルンが努力してきたからだって知ってるわ」
普通は第六騎士団から徐々に上を目指すが、努力が実り第四騎士団からの配属になったのだ。
「だから私、貴方に婚約破棄を突き付けられて後悔したの。私もコルンみたいに努力すべきだったって。流行りの物語に乗るんじゃなく、貴方みたいに自分を高める努力をすればよかったって」
せめて貴方に釣り合うよう頑張りたいと思った私は、苦手だった社交に刺繍、勉強だって頑張ることにした。
“その結果男漁りしてるなんて噂が立ってしまったんだけど”
今の私から貴方に釣り合う私へと変わりたいから。
「そんなこと」
「あるわ。だってそれくらい、私にはコルンが輝いて見えるんだもの」
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