最終話.きっとこれからは

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 結構性能がいいちゃんとしたものだっただけに少し惜しくはあるが、あの場所へと再び足を踏み込れるのは危険だろう。  ラヴェニーニ侯爵家の私設騎士団を連れて行けば回収は可能かもしれないが、そんなことをしてあの親子を刺激したくもないので早々に諦めることにした。  クロスボウは矢をセットしなければ使えないので、何もセットされていない本体だけならば子グマが遊び道具にしても怪我をすることはないと思う。 “……というか、どうしてコルンはあの場にいたのかしら”  いや、あそこが上級エリアならば、国の騎士団に所属している彼がそこにいるのはおかしくない。  の、だが。 「どうして武器が剣だけ、なの?」  剣を持っていることが不思議なのではない。  ただ狩猟大会に参加したのであれば遠距離で攻撃出来るものも一緒に持っているのが普通である。  剣だとどうしても接近戦になってしまい、大会の趣旨に合わないからだ。 「必要、ないかと思ったから……です」 「必要ない?」  どこかしどろもどろにそう言われ首を傾げてしまう。 “狩猟大会に、剣以外はいらない?”
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