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──バキッ!!バキバキッ!!
──バシャン!!
誰も見ていない海の上で、一方的に蹂躙を受ける“人間たち”。
女は泣き喚き疲れたのか気絶し、男は己の力の無さと、これから訪れる『死』に絶望していた。
「も、もう許してくれ……!今まで立入禁止の海域に踏み込んでいたことは謝る!海水浴場で騒ぎまくっていろんな人に迷惑をかけていたことも、友達の水槽をひっくり返したりしたことも謝るから……!!」
そう嘆くが、『シャチ』には届かない。しゃべるシャチ、言葉を理解するシャチとか気持ち悪いだろ?
てかこいつ、何やってるんだよ……。
──メキィッ!!
何度かタックルしていると、変な音がした。男も気付いたようで、息を呑んでいた。
「お……終わりだ……!まさかシャチなんかに狙われるなんて……!」
涙声になっている。
そうだ。そうだ──終わりにしよう。
それに、ここまで近付くとさすがにサメじゃないと気付いたようだ。
頭良いじゃないか。
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