オルキヌスの海

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 だが、遊びすぎた。お腹が空いてしまったな。人間を食べるつもりは無かったが、本当に食ってしまうぞ?ククク……!  ──ゴボボボボ……。  真っ二つになった船は、黒い煙を上げながら真ん中から沈んでいく。  その時、男と目が合った。 「こ、こいつ──酒場で聞いたことある!!」 「………………」  オレは男の怯える声を聞き、ニヤリと笑った。 「『恐怖の殺人シャチ』だ!!!」  その叫びを最後に、小さな船は沈没した。  ──オレはシャチ。かわいくて人気者でイノセントな“オサカナ”。  お前たちと同じ哺乳類だけど、こんな『獰猛な生き物』と同じなんて言われたくないだろ?  “オサカナ”と言い聞かせておかないと、水槽に閉じ込めた“オサカナ”を自分の『同類』と認めることになる────。  イヤだなぁ、冗談だよ。  ────ニンゲンサマ?
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