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──ピシャーン!!
「ひいっ!?」
外で雷の音がした。
周りの人たちは「冗談じゃない、今日はもう出られないな」と話している。だからって夜が明けるまでここで飲んだくれるわけじゃないよな?
「…………わかった。元々怖がりなお前の言うことは些か信じがたいが、良いだろう。お前の前に、そいつの首を持ってきてやろう……」
先生は酒焼けした声で呟き、いくつかの金貨を置いて立ち去っていった。
「おいお客さん!?」
店主が先生を呼び止めようとする。
──ピシャーン!!
「…………」
先生は雷の光で逆光を見せながら立ち止まる。しかしこちらを見ない。
「今日、こんな量は飲んでないだろう!」
「………………今までのツケだァ。取っときな」
「えっ!?」
店主が金貨と先生を見比べているうちに、先生は雷雨の中へと消えていった…………。
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