1.はじめまして、惑星ネーガ

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表情に疲れが見えるくらい遊び倒した私は、牢屋という名のサークルの前で、捕まった子供達を見張る看守を務めていた。 楽しそうに遊ぶ子供達を眺めながら、物陰から見つめる大人達の視線にストレスを感じながら、適度にサボって脱獄を許していた。 子供に付き合う大人の大変さを噛みしめながら、この場にいる誰よりも疲れた顔をしていた、自分も大人にこんな苦労をかけていたのだろう。 「みんな元気だなー…この星は少し重力が強いのかな?気温が高いのもあるかー…」 「ポ?」 「大丈夫大丈夫…近くに宇宙船停めてあるし、ダメそうだったら迎えに来させるから…」 「ペポ……」 疲れを隠せない私を、どこか見覚えのある子供は心配そうに見つめる、そういえばこの子は最初に村はずれの花畑で遭遇した男の子だ。 「あれ?そういえば君…」 「ペポ…パポ…ペパ…ペパ…」 「お花畑の子…」 あの時はきっと人見知り故に逃げてしまったが、こうして遊んで友達になったことで、真面目に何かを考えてくれているようだ。 「…ピカ…ピカ…」 「励まそうとしてくれてるの?」 「パパ!…ペポピカ!」 「え?な、なに……」 しばらくして、何かを思いついたように声を上げると私は驚いてしまう、きっと彼は私を元気づけようとしてくれているに違いない。 「うひゃっ…!」 「パオ!パオ!」 「どこ触って……」 「パオ!ポコ!」 「はっ…!!」 しかし次の瞬間、彼は私の胸を触って「パオ」という言葉を発する、そして自分の股間を指差して「ポコ」と元気よく声をあげた。 「パオ!パオ!ポコ!ポコ!」 「まさか……」 「チッチ!チッチ!」 「そういう……」 「パオポコチッチ!」 「下ネタ……!?」 私は反射的にこちらを見つめる大人達の方を振り返った、そういえば彼らは最初に私を見て、同じような言葉を連呼してやがった。 「こいつら……!!」 案の定、その小学生レベルの下ネタは大ウケのギャグのようで、大人達は男女問わずニッコリと笑っている、周囲の子供達もドロケイを中断して連呼し始めた。 「パオパオー!ポコポコー!」 「チッチー!チッチー!」 同時に私の中からマグマのような感情が込み上げてくる、今まで真剣に解読しようとしていた言語に怒りを覚える、ある種の裏切りに心からの憤慨が溢れ出たのだ。 「小学生どもがぁぁぁぁ!!」 慣れない下ネタで顔を真っ赤にする私は、量子保存領域という名の虚空からリモコンを取り出し、近くに待機させていた小型の宇宙船を呼び寄せて、踊り狂う原住民をよそに乗り込んだ。 「うあああああああああああああ!!」 そして息をつく間もなく発進し、この惑星のありとあらゆる地域を高速で駆け巡った、ステルスモードで人々の会話を盗み聞きした、こんな最低の文化があるのは、あの地域だけだと信じたかったのである。
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