ずっと好きでした~そばにいてもいいですか?~

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「木南、好きだよ」  頭はクラクラとしてめまいを起こしそうなのに、気持ちはフワフワとしたまま胸が高鳴って仕方ない。 「なんで泣くの」 「ごめん。なんか、信じられなくて。私は地味だし……日鞠のほうが明るくてかわいいのに……」  感動して両目からポロリと涙がこぼれる。  彼があわてて手を伸ばし、親指でそれを拭ってくれた。 「中学のとき、書いてるノートの字を見てすごく綺麗だと思った。昔から木南は勉強もできるし真面目だったよな。でも極めつけは絵だった」  ずっと前から私のことを見ていてくれたのだと実感したら、また涙があふれそうになる。  たしかにマスキングテープで描いたガネーシャの看板を、水上くんはすごく褒めてくれていた。 「木南が描く絵は繊細で、めちゃくちゃうまかったから。心が澄んでて綺麗なんだろうな、って惹かれたんだ」 「わ、私のほうこそ、文武両道でカッコいい水上くんが好きだったけど、ずっと片思いだと思ってた」 「それは俺も。木南は恋愛に興味なさそうだったし」  彼がやわらかな笑みを浮かべたのを見て、私も苦笑いを返した。  どうやら私たちは最初から互いに片思いをしていたらしい。 「日鞠は気づいてたのかな?」 「たぶんな」  私の片思いを最初から知っていた日鞠が、途中で水上くんの気持ちに気がついたときには、相当ヤキモキしただろうと思う。  日鞠には申し訳ない気持ちを抱くと共に、ずっと見守ってくれていた彼女のやさしさに感謝したい。 「お互いに片思いは今日で卒業だ。俺と付き合ってほしい」  彼の言葉にコクリとうなずいた。  照れくさそうに微笑む水上くんを間近で見ているだけで、胸がキュンとして仕方がない。
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