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「ここに直接貼っていけばいいんだよね?」
私の身長と同じくらいの大きな白いボードを前に、マスキングテープを掲げながら日鞠に確認を入れた。
美術部だった私は、カレー店の看板を描いてほしいと彼女に頼まれたのだ。
「ていうか透桜子、下書きとかしないの?」
「大丈夫だよ」
「すごいね!」
マスキングテープを使ってちぎり絵にしようと思っている。
気に入らなければ剥がしてまた貼ればいいから修正はしやすい。その辺りは絵の具と違って気楽だ。
頭の中で構成はできているので、ちぎったマスキングテープをペタペタと大胆に貼り付けていった。
昔から絵を描くのは好きだけれど、なにかないとこういう創作はしないからとても楽しい。
「透桜子まで巻き込んでごめんね。勉強の妨げだよね」
「謝らないで。私は日鞠の役に立ちたいの」
両手で握り拳を作って真剣に言うと、日鞠は「ありがとう」とにっこり笑った。
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