宮川高校天文部 雨上がりの夜空編

いざ宮川天文台へ

　翌日僕は部活を松原先生に任せて校長に宮川天文台の許可をもらいに校長室を訪れていた。

「そうですか、宮川天文台の見学を、そして見学終了後に天文台からの天体観測ですね」
「ええ、ここには私の大学の同期生が働いており事前に根回しをしているのであとは許可をいただき、正式な見学を申し込めればと思っています」
「新川先生、確か土曜日は雨の予報ですし、見学はともかくそのような日に天体観測なんて大丈夫なのですか？」
「え？よ、予報は朝から夕方にかけてですし、雨が長引くようであれば天体観測は中止しますのでご安心を」

　何がご安心をだと自分に言い聞かせているが、とりあえず下手な言い訳をするよりはいざとなったら退くつもりでいる事を示す方がいいだろう。まさか生徒が雨上がりの夜空が見たいなんて言えないしな。

「ふむ、まあいいでしょう当日天文台の職員の方が迎えに来てくださるなら安全面では問題なさそうですしね、活動を許可します」
「ありがとうございます、早速見学予約をしてきます」