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生徒からせがまれて
僕の名前は宮川俊太、宮川高校天文部顧問であり、現代文教師だ。いつものように授業を終えて部室に行くと、部員の長田勇と桃井理央が来ており、早速今日の部活内容を説明する。
長田は宇宙飛行士志望であり、桃井はお天気キャスターもとい、気象予報士志望だ。
部活の説明を一通り終えると、桃井が挙手して僕に質問をする。
「あの先生、部活の前にちょっといいですか?」
「どうした桃井?」
「あの、今日の地学の授業で聞いたんですけど、雨上がりの夜空が一番きれいに見えるって本当ですか?」
「ああ、そうだが、だけど桃井のクラスの地学担当は中村先生だろう、どうして先生に尋ね直すんだ?」
中村先生とはかつて天文部顧問の座を争った仲で僕が前に知識量で言い負かし、見事に天文部の座を勝ち取ったが、中村先生も地学教師である以上当然その部分は知っている。にもかかわらず桃井は僕に夜空の事を尋ねたのだ。
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