梟はその翼を広げる(14)

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梟はその翼を広げる(14)

「……?? ……ん……あ、良雄ちゃん…から?? ……なんだろう?」 封筒を開けて、その中に入れられていた手紙へ目を通した郁恵であった。  …………。  良雄の想いを知った郁恵は彼へ連絡を取る。  日時を決めた良雄と郁恵は二人で会った。  ぎこちない愛の告白をした良雄を郁恵は受け入れた。  そのときは付き合っている相手もいなかったことから、郁恵は良雄と交際を始める。  女性との初めての交際に良雄は大喜びであった。  ある日、彼に身を寄せる郁恵は甘ったるい声で述べた。 「……ねぇ、よっちゃん……わたしさ〜……家に帰っても、一人だ・か・ら、つまんないんだ〜。だ・か・ら……よっちゃん、良かったらぁ来てくれない……?」と。 「え、ええッ!!?? ……い、いぃいぃぃ、のぉ、かよぉ……!!??」と、良雄。  ここで思い違いをしてはならない。  良雄が郁恵の住むところへ一方的に転がり込んだのではない。  彼女が自ら、彼を誘惑して借家へと招いたのである。  それからというもの、郁恵と良雄は同棲を始めた。  この二人の同棲を最初に知ったのは、物を届けに借家へ訪れた文恵であった。 合い鍵を使って、建物へ入ってきた妹に「あーー、持ってきてくれたの? ありがとーー、ふみちゃん〜」と、半裸の郁恵は笑った。 「うん。これでしょ? ……今日は休みだったんだね。……はッ!!??」  妹は姉の布団に寝ている男性を見るや、言葉を失った。  姉以外の誰かがいたのに驚いたのはもちろんのこと、すーすー眠ってる男性は見覚えがある顔をしていたのだから。 「……ッ……エッ、エ、えぇぇ!!? ぁ、あああ、あぅ、あ……ま、まさかぁ……よ、良雄ちゃんんん!!!???」  良雄と郁恵と文恵は子供のとき、一緒に遊んでいた。 文恵「よよ……良雄ちゃん? ……だよね? ……ななな、なんで、良雄ちゃんがここで……寝てんのぉ〜〜!??」 郁恵「同窓会があったの。中学のときのさ。……それにわたし行ったのね。退屈しのぎに。……そしたら、よっちゃんがね〜同窓会でわたしを見て、好きになっちゃったんだって。……ふみちゃんがわたし宛の手紙、届けてくれたことがあったでしょ。あれはよっちゃんがわたしへ送ってきたものだったんだよ〜」 文恵「……ん……んーーー……で……姉ちゃんは、良雄ちゃんと……その、つつ付き合うことにした……ってこと??」 郁恵「まーそーいうこと。……よっちゃんね、今ね、大工さんやってんだって〜。駐車場にかっこいい車が置いてあったでしょ? アレ、この人の車なんだよぉ……」 文恵「…………へ、へぇ〜〜……」
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