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礼子はヒースロー行きの飛行機に乗っていた。ロンドンで3週間、仕事の予定だ。早朝出発だったので前日から成田空港近くのホテルをとっていた。光広と今朝まで一緒にすごし、空港まで送ってもらった。 「私が留守の間もうちで過ごしてくれてもいいのよ。会社も、その方が近いでしょ」 「まぁ、そうするかもしれないけど、掃除や洗濯の事もあるし、久しぶりに家でゆっくりするよ」 「家でゆっくり…?って…」 「私と一緒でも、うちでゆっくりしてるじゃない。あ、そうか、洗濯担当、あなたの専属家政婦さんは沙希さんだもんね。ふふ…。それに家では夜、ゆっくりと寝られるしね」 「そうだよ、今日も誰かさんのせいで寝不足。家帰って寝るよ」
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