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「向こうから離婚してくれる、って、丁度良かったじゃない。それでもう、離婚届も書いてきたの? もう、出した?」 「そんな簡単な事じゃないよ。ずっと一緒に暮らしてきて… 子供の事もあるし」 「もちろん慰謝料も、って言われてる。キミの事もバレてる。離婚の事でゴネたらキミの名前出すぞ、って」 「ふふっ、彼女、色々わかってるのね。お嬢さん育ちでのんびりしただけの人だと思ってたけど」 「ゴネるも何も、彼女の言う通りにしてあげたらいいじゃない。私もお金、出すわよ。500万…? 800万くらい?いくらなんでも、1000万までは言ってこないでしょ」 「僕の分は自分で何とかするよ。キミには直接、書類が届くと思う…」 「お金で決着つくなら安いものよ。助かるわ」 「それにお嬢さん達も、もう大きいから問題ないでしょ」 「でも、まだ学生だよ。家を出てから会えてないけど、このままってわけにはいかないよ」 「あなた、お嬢さん達とそんなに一緒にいなかったでしょ。あ、でも、いざ、会えなくなるっていうとさみしいか…? 私も一緒に会って話しようか? あなた達の家族になります、って」「綺麗なコ達でしょ、娘にするなら丁度いいわ」 「えっ…」 「アメリカの副大統領だって、夫の前妻の娘達と家族です、って家族写真公開してるよ。そんなもんでしょ」 「うちの娘達たちは、そんな割り切った気持ちになれないよ。そんな写真撮れるタイプじゃない…」 「そんな事言ってたら、グローバルに生きられないわよ。娘さん達に私みたいな女性になってほしい、って言ってたじゃない」 「あ、それに、マスコミ関係に就職したいなら、紹介するからそれは任せて 」
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