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「水谷先生、長い研究生活、お疲れ様でした。でも、退官なさっても、研究はお続けになるんですよね」 「沙希さんにも色々とご協力いただき、感謝しています。有り難うございました。大学をやめても名誉教授の名前ももらっているし、まだまだ調べたい事もあるんですよ。ただ、毎日、大学に行って学生の指導をするのはちょっと…。昔に比べると体力も無くなったし疲れちゃうからね。それに教授の席も若い先生に譲っていかないと。大学の指導者側も若返りしなくっちゃいけないし」 「まだまだお若いと思いますよ。これからもご活躍なさって下さいね」 「そうだね、まだまだ勉強や研究は続けたいと思ってます」 「それでなんだけど… 今日は沙希さんに話したい事があって」 「はい…?」 「私と、つっ、付き合って下さい」 「…?」「何処にですか?」 「いや、どこかに出掛けるのではなくて、あ、もちろん、出掛けたりもしたいんだけど…そういう意味ではなくて…私と将来を考えた上でお付き合いして頂きたいんです」 「えっ…」
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