かげくん?

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かげくん?

 数秒起き上がったまま固まっている私。会いたいと口にした日々は数えきれないけれど。 「しょ・・」  翔くん?と言いかけて口を閉じる。この影が翔くんとは限らない。  翔くんらしき、かげくんは私の声に反応しマットの中から飛び出して、寝室の壁に移動をしていた。 「・・・・・」  指らしきものが伸びている。壁越しにだけど、片手を上げている姿に見えなくもない。よく、翔くんもおはようと大あくびをして片手を上げていたけど。 「私の声がわかるの?」  このまま無言状態というのも過ごしにくい。私はダメ元で壁に向けて問いかけてみる。  影は両手を伸ばして丸の影の形を作って見せた。
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