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私は心の中でかげくんと名付けて呼ぶようにした。かげくんがいるのは二人が暮らしたアパートの一室だけで、外出時はついてくることを拒んだ。
「かげくんなんて馴れ馴れしいよね?でも、翔くんだって合図はないし」
翔くんがいた頃は頻繁に自炊していたけれど、一人暮らしになってからはコンビニ食が多くなった。
一人でぶつぶつ言いながら歩いていたら当然振り向かれた。ちょっとそこまでの買い物だから、ゆるいくまがだらけたTシャツとリラコにクロックス姿で立ち止まる。
影だから髪型も、顔もわからない
「本当に翔くんなの?」
あの時、合図を言い合った。けどまさかなんて来ないでしょって思っていたから、よく思い出せない。
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