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「大丈夫！ 今は多様性の時代だからね！」
「そういう問題じゃないです！」
「じゃあ、キスしよっか」
「へ？」
急に話の矛先が変わったかと思いきや、神谷くんが僕の顔の横に手をついてきた。さらりと、彼の美しい髪が揺れる。
「毎日俺とキスすれば、大抵の悪霊は逃げ出すよ！ とってもお得！」
「それもいやです！」
「え〜！ なんでよ。ちょっと舌を絡めるだけじゃん。難しいことないよ？」
「あ、あなたにとっては、キスなんてそんなものかもしれませんが！ 僕にとっては違います！」
「んもう〜、あれもイヤ、これもイヤじゃ困っちゃうよ〜」
「困ってるのは僕なんですけど！」
何故だろう。頭が痛くなって来た。
大体、神谷くんは僕のようなちんちくりんと毎日キスなんかして、何とも思わないのだろうか。彼女がいたら、きっとその彼女も自分の彼氏が他の男とキスなんかしてると知ったら嫌がるだろう。
それとも、神谷くんにとってキスは、日常茶飯事なんだろうか。そもそも、キスへのハードルが低いとか？ 誰かとすでにそういう関係になったことがあるとか？
なんか、いやだな。
ーーえ？ 今、なんて？
「隙あり！」
「んっ、ふっ」
考え事をしていたら唇を奪われていた。あっという間に神谷くんの唾液が送り込まれてくる。
ついでに、めちゃくちゃ気持ちいい。
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