はじめまして御子柴くん!

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 彼が首を傾げると、美しい金色の髪もサラサラと流れていく。芸能人なのだろうか。 「あれ? うーん、まだまだこれじゃダメか」 「は、離れてくださいっ! 初対面でキスなんて何考えてるんです! いきなり抱き締めたり、キスしちゃいけないんですよ?!」 「わかった、今度はきちんと俺の唾液飲んでね?」 「はあっ?! んっ、んんんんっ!!!」  抗議の為開いていた口は、これ幸いと思い切りかぶりつかれた。容赦なく舌が入ってきて、僕の咥内を蹂躙する。 (ファーストキスだけでなく、ファーストディープキスも奪われるなんて?!) 一夜にして失いすぎじゃないだろうか。 体格差も合間って、覆い被さるように口づけされる。舌を絡め、吸われ、溢れた唾液を飲み込む。僕の喉がごくりと動くと、至近距離で見つめてくる彼の瞳が細くなった。 まるで、いい子と褒められているかのような錯覚に陥る。  与えられるがままに、ごくごくと唾液を飲めば、身体中に蔓延っていた重さが霧散していく。先ほどまでここから飛び降りたいと思っていた薄暗い気持ちも、波が引いていくように消えていった。
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