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「聞きたいことは…もう無い、かな」
「…何かあるなら、ちゃんと聞いて。今更、気を使うような間柄でもないだろ……俺たち」
そうなのかな…?少なくとも私は今でも、颯斗に気を使うことは多々あるけどっ、、
「話しは、それだけ……?」
いつの間にか、夕飯を食べ終わっていた颯斗。そのまま片付けを始めるのかと思い…頷いてもう話すことは無いという意志を伝えると、、
「なら今度は俺が、菜々に聞いてもいい?」
「……え…?」
まさか、逆に何かを質問されることになるなんて思っていなかったので…思わず聞き返してしまった。
「職場で、なんかあったんだろ?」
「……な、何が?別に何にもっ」
「朝のやり取りが原因で拗ねてるのかと思ったけど…違うよな?」
「なんでっ、」
「何か菜々、泣きそうな顔してるから。その顔をする時は大概…男絡みだろ。」
─…菜々の泣き顔にはジャンルがある。
って、以前颯斗に言われたことがあったけど。まさかここまで正確に言い当てられるとは思いもしなかった。
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