アイラブユーを聞かせて

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前に、香菜からメッセージが来た時は…動揺してすぐさま颯斗を叩き起してしまったが、、 今はとても颯斗を起こして話し合おうなんて気にはなれなかった。 手にしていた颯斗のスマホを元の場所へ戻し、静かに寝返りを打って颯斗に背を向けるようにして横になった。 この短時間で─… 香菜に連絡を取って、私が彼女の存在を知ったことを告げたのだろうか?”バレた”って…そういうことだよね? それにもっと衝撃的だったのは、、 颯斗のスマホにロックがかかっていないことを、香菜が知っていたという点だ。 長年一緒に居ても、颯斗のスマホにロックが掛けられていないなんて私が意識したのは最近のことなのに。 彼女、、香菜は颯斗に対して”ロックを掛けろ”と簡単に言えてしまうような間柄なのだと…短いメッセージの中には目を背けたくなる現実がいくつも散りばめられていた。
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