アイラブユーを聞かせて

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「……なら、帰省はやめて旅行でも行く?」 珍しく、颯斗の方から遠出のお誘いをしてくれたのはとても嬉しいが─… 香菜と連絡を取りあっていることからの罪悪感なのかと疑ってしまう自分もいる。 「ううん…それより、まだ間に合うなら颯斗が受けたいって言ってたセミナー、、参加するって連絡してみたら?」 「……え…?」 「まだお盆まで日数あるし、今なら間に合うんじゃない?一度断ってもらって申し訳ないけど…せっかくだし行ってきたら?」 私のその提案に、颯斗が表情を曇らせた。 「あれは、断ったって言ったよな?今更また受けようとは思わない」 「でも、まだ参加出来るなら今からでもっ」 「連休は、菜々と過ごすって…言った。」 「だから…帰省の予定は無くなったから一緒に過ごしてくれなくても、だいしょうぶっ」 「帰省以外で、俺と菜々が一緒に過ごすって選択肢は無いわけ?こんな時くらいしか、休み合わないだろ?」 そんなこと、言われなくても分かってる。それでも…先に予定を入れてたのは颯斗の方だよ? ─…私だけ、責められたくない。 少しのすれ違いが大きな不満へと変わり…どんどん嫌なところばかりが目につくようになってしまった。
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