943人が本棚に入れています
本棚に追加
「……菜々…?」
「ごめんっ…今日は疲れてるから、、」
颯斗に触れられることが、何よりも幸せだと思い拒んだことなど一度もなかった私が─…今日、初めて颯斗からのお誘いを断ってしまった。
ハッキリと聞く勇気は無いくせに、香菜と”そういう関係”にあるなら触れられたくないと思ってしまう。
「……そっか…分かった」
切なげに、瞳を揺らした颯斗と目を合わせているのが辛くて…黙って背を向けた私に、、
「…これくらいは、許して」
そう呟いて、控えめに…軽く後ろから私を抱きしめた颯斗。その真意は分からないが、いつもと同じ温かい…彼の腕に抱かれていると安心する。
──…好きだよ、颯斗っ
好きだから、やっぱり私は颯斗の一番でありたいと思うし…そうじゃないなら、、離れたい。
長く一緒に居たから、離れるのは物凄く不安だけど…このままだとお互いダメになってしまうような気がするから、、
私なりに、調べてみよう。香菜のSNSを探してみたり、颯斗の友人に探りを入れてみたり。直接話をする前に、まだ出来ることはあるから─…
もう一度、颯斗の一番になれるかどうか…ちゃんと自分で見極めて、答えを出そう。
最初のコメントを投稿しよう!