アイラブユーを聞かせて

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写真の下の方に映り込んでいるドリンク。香菜の前に置かれているビールジョッキとは形が違うグラスに、ストローが入っているところを見ると、、 颯斗が飲んでいるのがソフトドリンクだということが分かる。 「酔った勢いでワンナイト、とか。そういうことは無さそう。」 女性の多い職場の忘年会や歓迎会。正直行かないで欲しいと思うことも多々あったが…副店長という立場を考えると、参加しない訳にはいかないだろうと理解していたつもりだった。 決してお酒に弱い訳ではない颯斗。周りがお酒を飲んでいる中でソフトドリンクを飲んでいるところを見ると…安心してしまう自分がいる。 そんな私に美雪は呆れたような表情を向ける。 「菜々さぁ、吉岡と香菜の浮気を疑ってるんだよね?なら何もかも全部疑ってかからないと。安心してる場合じゃないよ」 「それは…そうだけど、」 「この写真だって。帰り際に烏龍茶飲んでるところを激写されただけで、直前まで一緒にお酒飲んでたかもしれないじゃん」 「うーん…どうかな?お酒を飲む時の颯斗って途中でお茶を飲んだりしないと思うけど、」 「……菜々、本当に香菜のこと調べる気ある?」 少し強めの口調で美雪が私の言葉を渡った。
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