アイラブユーを聞かせて

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なんとなく、颯斗との間に気まずい空気が流れるようになって早くも二週間ほど過ぎた。 あれから颯斗は私に触れてこないし、私から颯斗に身を寄せることも無かった。一緒に暮らしていても仕事の終わる時間が不定期の颯斗。 私が先に夕飯を食べてしまうようになれば…食事を一緒にすることも無くなってしまった。 顔を合わせると、余計なことを口走ってしまいそうで…正直いまのすれ違いの生活が楽だと思う自分がいる。 そんな状態を続けてまで、一緒にいる必要があるのかと問われると…返す言葉が見つからないが、完全に颯斗との関係を断ち切る勇気は今の私にはまだない。 とんだ甘ったれだと、美雪に叱られるかもしれないが…共に人生を歩むように一緒に大人になった颯斗の存在が隣から消えることは、、 未だ経験したのことない、未知の領域。 踏み出すには、それなりに勇気が必要なんだ。分かってもらえないかもしれないけど…
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