945人が本棚に入れています
本棚に追加
「……こんなこと、言いたくないんですけど」
後輩の愛莉ちゃんは、周りに人が居ないことを確認したあと…コソッと耳打ちするように小声で、
「八雲先生じゃないですか?」
なんて、全く予想していなかったその発言に衝撃を受けて何も言葉が出てこなかった。
「実は…前に八雲先生が菜々さんのシフトのページをスマホで写真に撮っているのを見てしまったことがあって……」
「わ、私の…シフト表?何のためにっ、」
「理由までは分からないですけど…何となく、あの人菜々さんとの距離感とかちょっと近くないですか?必要以上に近い距離で仕事をしているというか…見ていてそんな風に感じます」
一緒に仕事をしていて、たまに腕がぶつかったりすることはあるけど…彼は歯科医で、そのサポートをするのが私の仕事。
医者である彼が治療中に、やましい考えを抱いて仕事をしているとは思えないのだが、、
「気をつけるに越したことはないですよ。なんかストーカーとか、そういうの…最近多いじゃないですか?八雲先生がそうだって言ってるわけじゃ無いんですけど…なんか、正直ちょっと気味が悪いのが本音です。」
何を考えているのか分からない、少しミステリアスな人というのが私の中での八雲先生の位置づけだったが、、
愛莉ちゃんの話が本当なら…少し警戒してしまうところはある。
最初のコメントを投稿しよう!