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戻ってきた颯斗は、目にかかるほどの前髪を器用に額の上でヘアクリップで留めていて、、
久しぶりに見たアップバングの颯斗にドキっとしたが…髪をアレンジするのは彼の本職であり、不器用な私とは違い自分に似合う髪型を熟知している颯斗。本当に…見てて飽きない。かっこいい。
私がジッと颯斗を見ていたので、さすがにその視線に気が付いたのか…こちらに視線を寄越した颯斗とばっちり目が合ってしまった。
「ん?あー…これ?菜々のやつ、借りた」
洗面台に放置していた私のヘアクリップを使用したみたいだが、、見ていたのはヘアクリップではなく颯斗自身だなんて…恥ずかしくて言えない。
「またヘアゴムとか化粧品、放置したままだったけど。家で散らかす分にはいいけどさ…職場では気をつけろよ」
っと、颯斗に指摘されハッと我に返る。
片付けが苦手な訳では無いのだが、ついうっかり放置したままになってしまうことが多くて。昔は颯斗に何度も注意されていたが、、言ってもなおらないと諦めたのか…最近は何も言われることは無かった。
タイミングが良いというかなんというか。ちょうどそれ系の話をしようと思っていたので…
話し出すきっかけになって良かったかも、なんて思っていたのだが─…
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