アイラブユーを聞かせて

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「今より休みも減ると思うし…帰る時間も遅くなる日が増えると思う」 「……店長さん、だもんね。仕方ないよ」 「ずっと、今の店で居るつもりじゃないけど。任されたからには…中途半端な仕事をするつもりはない」 「……え…?今のお店、いつか辞めるの?」 「まぁ…最終的には独立するつもりだから」 ……ん?いま、なんて言った? あまりの衝撃に感動していた気持ちが一瞬にして冷めた。 独立って……自分の店を出したい、ってことだろうか?そんな話、今まで一度も聞いたことが無い。 「だから…もう俺の帰りを待たなくていい。」 「え……なんてっ、」 「今以上に不規則で、休みも返上することも増えると思うから…だからっ」 「……家で過ごす時間より、店のスタッフと居る時間の方が余裕で長い…って。この前鷺坂さんが言ってた」 「…は?なんの話しっ、」 「私といる時間より…同じ資格を持ってて、悩みを分かり合えるような人と一緒にいる方が…いまの颯斗は気が休まるんだろうね」 こんな話をするはずじゃなかった。
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