アイラブユーを聞かせて

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「……ダメになっちゃうのかな、私たち」 仕事帰り…駅のホームで電車を待ちながら、思わず漏れた独り言。時刻通りにやってきた電車の走行音がそれをかき消してくれるから、、 弱音を吐いても許されるような気がした。 颯斗が浮気をしているかどうかなんて…今となっては重要なことでは無いように思えてきた。それ以前にもう─…私たちの関係は冷えきってしまっていたのかもしれない。 真実を知るのが怖くて現実から逃げようと目を背け続けたが…そろそろ潮時かもしれない。 これ以上一緒に居たら、お互いがダメになってしまうような気がする。 颯斗の思い描く未来に私の存在がないのなら、仕事に打ち込めるように…彼の手を放してあげることこそが、今の私に出来る唯一の尽くし方のように思えた。 ──…今日で、終わりにしようっ モヤモヤ晴れない気持ちを抱えて過ごすのは辞めて、先が無いならキッパリ別れて…もし仮に、万が一、、颯斗が私と別れない選択を選んでくれたとしたら─… その時は、明日が仕事だとか関係なく。お互いの気が済むまで時間に関係なく沢山話しをしよう。
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