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夕飯は簡単に済ませよう、っと颯斗が言ってくれたので…冷凍食品のチャーハンを二人で食べて、各々お風呂に入って早めにベッドに入った。
「明日は颯斗、休みだよね?」
「あぁ…菜々は仕事だろ?」
以前のように…眠れない私の髪を撫でてくれる颯斗。その手つきが優しいせいで、大事にされているのかもしれない…という期待を消し去ることが出来ない。
「うん……仕事だよ」
八雲先生の件があるので、休みたいところだが…逃げたところでいつかは顔を合わせなければならない。
職場なら人も沢山いるし、院長もいる。話をつける為にも出勤するべきだと思った。
「明日は迎えに行くから…そのまま夕飯は外で済ませて、帰ってからゆっくり話そう」
「……迎えに来てくれるの?」
「あぁ…今日は一人で帰らせて、ごめん。菜々が俺を頼ってくるなんて…滅多にないのに、、すぐ迎えに行ってやれなくて…悪かった」
「仕方ないよっ…まだお客さん居たんだよね?私の方こそ、ワガママ言って困らせてごめんね」
「別に…迷惑なんて、思ってないから」
少し素直になれば…颯斗との距離が縮まったように思えた。髪を触れる、以上のことはせずに本当にただ傍で添い寝をしてくれた颯斗。
その優しさに甘えて、それ以上何も話すことなく…眠りについた。
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