アイラブユーを聞かせて

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翌朝─… 目を覚ますと、既にベッドに颯斗の姿は無かった。今日は休みだと言っていたので…家に居るはずだと思いながらリビングへ向かうと、、 「おはよ、菜々…コンビニにタバコ買いに行くけど、なんかいる?」 既に着替えを済ませて今にも家を出ていきそうな姿の颯斗が視界に入った。 「あー…えっと、りんごジュース、、」 「パックの100%のやつな?りょーかい」 財布を片手に、すれ違いざま…寝癖だらけの私のボサボサの頭にポン、っと手を乗せて家を出ていった颯斗。 なんだか朝から甘いな…と思いつつ、水を飲みたくてキッチンへ向かおうとした時─… ダイニングテーブルの上に置き去りにされている颯斗のスマホが視界に入った。 今日、話し合うと約束しているのに…今更スマホを見るのはルール違反のような気がするし、まず第一に颯斗が居ないと分かった上で隠れてコソコソ見るのは良くない。 見なかったことにしよう、っと目を伏せた時…タイミングを見計らったようにテーブルの上のスマホが震えてバイブ音が室内に響いた。
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