アイラブユーを聞かせて

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バスルームに入り、まず念入りに髪を洗い流す。その後軽く泡立ててから一度流し、もう一度しっかり泡立てて…計2回シャンプーを済ませたあとトリートメントを髪に乗せていく。 髪の毛の洗い方なんて、昔は拘ったことは無かったが…颯斗が美容学校に通いだした頃、一緒にお風呂に入った時にそうやって洗ってくれたことをきっかけに、、 一人で入る際もそれを継続して髪を洗う時間は、バスタイムで一番長くとるようにしていた。 「そろそろ切ってもらおうかな…」 颯斗が美容院で使っているシャンプーやトリートメントを社割で購入してくれるおかげで…おうちで髪の毛のケアを出来ている私。 その為…もう長らく颯斗が働いている美容院に行っていない。 髪を切る、というのを口実に職場を訪れることが出来れば─…”香菜”という人物を探ることが出来るかもしれない。 なんて、そんな不純な考えが一度頭を過ぎってしまうと…実行させるまで落ち着かない。お風呂から出たら颯斗にお店に行ってもいいか聞いてみよう。 っと思いながら髪を洗い終えて…湯船に浸かりながらボーッとしていた私の耳に、、 『─…ん……だから、、』 微かに、颯斗の話し声が聞こえた。
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