アイラブユーを聞かせて

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どうやら…私がお風呂に入っている間に、誰かと通話を始めたらしい。 リビングで話しているのか、ハッキリと言葉を拾えないのがもどかしいが…独り言を言うような人では無いので、通話をしていることに間違いは無いはず。 ──…問題は、相手が誰なのかってこと。 なんとも言えない焦りが募り始め、慌ててバスルームから出ようとした時…洗面所に入ってきた颯斗のシルエットが扉に映った。 「……ん?もう歯磨きするの?」 「あぁ…てか菜々、長風呂し過ぎるなよ。今日風呂の温度高かっただろ?さっさと出てこい」 てっきり長電話をするかと思っていたのだが、通話を終えたのか…歯ブラシを取りに来た様子の颯斗。早くお風呂に入れと急かしてきたくせに、今度は出てこいと言ってくるなんて。 本当に…気分屋なんだから。
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