アイラブユーを聞かせて

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「颯斗は…浮気なんてしないっ」 浮気をしていることが前提のような言い方をしてくる美雪に対して、少し苛立ってきた。そんな私のモヤモヤが伝わったのか、、 「……どんなに信じてる相手でも、裏切る時は裏切るんだよ。菜々だって知ってるでしょ…私が婚約破棄された理由が、相手の浮気だったこと」 切なげな表情で過去を語る美雪に…募っていた苛立ちは無くなる。 結婚式まで控えていたのに、旦那さんになる人が浮気相手との間に子どもを授かってしまい…直前で婚約破棄となったのは、まだほんの1年ほど前の話しだ。 「ほら、ニュースでもよく見るでしょ?政治家とか有名人が信頼してた側近の男にお金を盗まれて使い込まれてた…とか!おしどり夫婦と言われてたのにダブル不倫で離婚とか!!」 暗くなった雰囲気を変えようとしたのか、突然ニュースネタを放り込んできた美雪。確かにそうだなぁ…と頷いてみせると、彼女は呆れたように笑った。 「菜々には、私と同じ思いをして欲しくない。だから…キツい言い方になっちゃうのかも。二人に別れて欲しいと思ってる訳じゃないんだ…ただ、そういう疑惑を持たれるような行動をしてる吉岡に対して…腹が立つだけ。ごめんね、菜々」 「ううん…相談してるのは私だし、いつもハッキリ言ってくれる美雪には感謝してるの。ただ私がそれをすぐにっ…受け止めきれないだけなんだ。私の方こそ、ごめん」 颯斗が浮気をしているかどうかも分からないのに、私と美雪の仲が拗れるのは避けたい。 これはもう颯斗に直接、聞いてしまうのが一番手っ取り早いかもしれない。
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